駅からハイキング:上野の歴史を「見る」3(京成電鉄博物館動物園駅跡~愛玉子)
からの続きです
マップの説明には『昭和8年京成本線開通にあわせて開業した駅で、乗降客の減少や建物の老朽化により、平成9年に営業を休止した。駅出入り口の建物は、開業当時のままの雰囲気を漂わせている』と書かれています
青銅のプレートは『博物館動物園駅 照明復元事業』とのタイル灯があり
この博物館動物園駅は、1933年(昭和8年)に竣工しました。6灯の壁付照明器具が、3方に開いた出入口を照らしていましたが、第2次世界大戦の金属供出により取外され、永く失われていきました。この駅舎と地下駅空間の保存と再生を願い20年間にわたる活動を続けてきた市民グループ、NPO法人<上野の杜芸術フォーラム>による企画と募金活動により、2010年、漸く1灯の復元が成りました。芸術の中枢機能が集積するこの交差点<アートクロス上野>に向けた光を復活させるものです。
と書かれています。たくさんの驚きがありました
1.戦後も照明器具は復活しなかった?!
(確かに写真で見ても他の照明器具らしきものがない)
2.それを20年間に渡る活動で復活させた人達がいる(素晴らしい)
3.この交差点には「アートクロス上野」という名前がついている
上野の歴史とこれからを感じさせる史跡です
「黒田記念館」前の横断歩道を渡り、マップでは先になっている「国際子ども図書館」へ向かいます。上の写真で目の前に見える「上島珈琲店」、「黒田記念館」の一部だと思っていたんですが、改めて見ると別のビルですね^^; 景観を崩さないように配慮して建てられているのかな?
すっかり、この建物が「国際子ども図書館」だと思ってしまったんですが、写真の右半分は「公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団ビル」、左半分は「国際子ども図書館」で、建物自体もつながっていませんでした(目の錯覚・・・^^;)
「国際子ども図書館」に到着しました。歴史については、国際子ども図書館ホームページ「建物の歴史」
を見ていただく方が良さそうです。帝国図書館として明治39年に建設されてから、増築・改修を繰り返してきたので、建物自体に歴史があります
ここは見て欲しいと思うのは1F奥、この廊下の先の入口を入ってUターンしたところにある『世界を知るへや』。写真撮影NGということでしたので、教えていただいた国際子ども図書館ホームページから「施設の紹介(ギャラリー)」
から『世界を知るへや』の写真を見ていただければ幸いです。天井の漆喰装飾(鏝絵)と寄木細工の床板がとっても良かったです(世界の絵本を眺められるのもGood)
こんなポスターも貼られていたので、これに従って、廻ってみるのも面白いと思います(入口で同じチラシも貰いました)
個人的に一番気に入ったのは『アーチ棟』の廊下(写真上段)とその外側(写真下段)。トンネル感がたまりません
外側の庭にはこんなマップもありました。1本1本の配置と植物名が記載されています。こんな詳細なものを見るのは初めてです(植物園でもないと思います)
その近くには『投槍』とタイトルがついた銅像が置かれています(喫茶室の近くなのですが、入り組んだ場所なので、ここまで近づくのは大変です)
天井が気になってきて、まずはレンガ棟 階段上の天井(3階から)
次回の展示準備で閉鎖されていましたが、準備のために1つだけ開いていた扉の隙間から撮った、3階『本のミュージアム』の天井(準備している方々に苦笑されてしまいました)
鋳鉄製の手すりのついた階段も飾りをアップで撮ってみました。入口で貰ったパンフレットによると『現代の基準に合わないためガラス製の手摺りを付けている』そうです
予想外に興味深い場所だった「国際子ども図書館」を出て、次は「黒田記念館」に向かいます
「黒田記念館」、マップの説明によると
日本近代洋画の巨匠・黒田清輝の作品を展示し、同画伯を顕彰する記念館。岡田信一郎設計による昭和3年竣工の建物は、昭和初期における美術建築として貴重なことから国の登録有形文化財となっている
と書かれています。嬉しいことに無料です
ここでも展示室の天井が素敵だったので撮ってみました
もう1枚は地下から階段の吹き抜け部分を見上げてみました(このアングルで写真を撮っていた方がいたので、つい・・・^^;)
関係ないですが、地下にあったトイレのドアの『開閉注意』が面白かったので撮ってみました(当たって吹き飛ばされてる)
「黒田記念館」を出て、マップの通り「上島珈琲店」の横を曲がります
「上島珈琲店」のところにあるレンガの柱、これだけ古くて雰囲気が違うので、何かの遺構ではないかと思ったのですが、どうなんだろう?
少し先に進むと「東京芸術大学」のところに存在感のある昔の門が建っています。かなり検索に時間がかかったのですが、東京都都市整備局のホームページ「都選定歴史的建造物詳細 85〜87/東京都都市整備局」によると『東京藝術大学旧東京美術学校玄関』で『昭和47年の学校本館取り壊しの際、玄関部分のみ正木記念館中庭に移築。周囲とよく調和しており、移築保存の好例』と書かれていました
鬼瓦が格好良かったです
道を進んでいくと、「東京芸術大学」の門のところに人が集まっています。何かを移動させている最中でした。学祭か何かの準備だったのでしょうか? 多くの人が写真を撮っていました(私もその一人)
今回の個人的な目的地「桃林堂」さんの前にやってきました
愛読している横チンさんのブログ記事
で紹介されていて、今回コース途中にあるので、是非立ち寄ってみたかったんです(横チンさんのブログを見ていると上野・浅草近辺で行きたいお店がどんどん増えてしまいます)
店内に入ってみると美味しそうな和菓子が並んでいます。でも、まだまだ暑い中歩くことを考えるとお持ち帰りは無理なので、店内で食べられるものがないか訊いてみると、『かき氷』か『抹茶を付けて和菓子』のいずれかを食べられるとのことだったので、
『抹茶付き生水羊羹 小豆』をいただきました。小さな紐できちんと結ばれているので、『綺麗に結ばれていますね』と店員さんに話したら、『1つ1つ手で結んでいます』とのこと。大変ですね^^
開けてみると、箱の隙間に入り込んだ水羊羹が風車のようで綺麗。控えめの優しい甘さでとっても美味しい。来て良かった、小さいけれど大満足(^-^)
もう少しゆっくり休みたかったけど、少し遅れ気味なので、店員さんに御礼を言ってから、お店の外へ
「桃林堂」さん、お店に入っても入らなくても、入口の屋根で見守っている、魔除けの『鍾馗様』のチェックはお忘れなく(^^)/
「桃林堂」横の道をまっすぐ歩いて行きます。こんな素敵な看板も見つけました。『絵画修復 額縁製作』と書かれています
『言問通り』まで来てみると、『台東区立下町風俗資料館』と書かれた看板があります。あれ?コースの最後「不忍池」のそばじゃないのかな? と思ったんですが、中に入ってみます
『旧吉田屋酒店(下町風俗資料館付設展示場。台東区指定有形民俗文化財)』と書かれた説明には、
かつては谷中六丁目の一角にあった商家建築。吉田屋酒店は江戸時代以来の老舗であった。旧店舗の建物が台東区に寄贈され、明治から昭和初期にいたる酒屋店舗の形態を後世に遺すため、昭和六十二年移築復元して、当時の店頭の姿を再現、展示している。平成元年には、一階店舗と二階部分及び道具・文書類が台東区指定有形民俗文化財となった
棟札によれば、明治四十二年(一九一〇)に新築して、昭和十年(一九三五)に一部改築したもの。正面は一・二階とも出桁造りで商家特有の長い庇を支え、出入り口には横長の板戸を上げ下げして開閉する揚戸を設け、間口を広く使って販売・運搬の便を図った。一階は店と帳場で、展示している諸道具や帳簿などの文書類も実際に使用されていたもの。帳場に続く階段をのぼると三畳半と八畳の部屋があり、店員等が使用していた。向かって右側の倉庫部分は外観のみを明治四十三年の写真にもどづいて復元した。店舗後方の和室部分は構造的補強の必要から増設したものである
と書かれていました。台東区が明治時代の建築を今も大切に保存・公開してくださっているようです。店舗がオープンなので、文書類等の保存はかなり大変ではないかと思います
無料で入れるので店内へ。現代では考えられないけど、落ち着いた、いい雰囲気です
外には『地蔵菩薩』様が三体安置されていましたので、お詣りさせていただきました
その奥には昔の井戸のあとらしきものも展示されています
事務室前には『上野・浅草下町情緒』と書かれた『趣味のかまぼこ板絵』がたくさん展示されています。『寿司店「日の出ずし』の御主人瀬田さんが商売の片手間にかまぼこの不要材を使って書き始めた』そうです(まだご存命なのかな?)。情緒溢れる素敵な絵をありがとうございます
旧吉田屋酒店の店舗側からはわかりづらいのですが、是非横に廻ってみてください(もらったパンフレットにも書かれていないですよ)
外には大型のマンホールを発見! 東京都の定番、桜のマンホールの周辺を銀杏が囲んでいます(真ん中の円を少し上にずらしているのが、いい感じです)
風情のある下町風景を堪能したので、マップに従い、先に進みます
マップの折り返し地点近くにある「愛玉子」さんに到着。マップの説明によると
昭和9年創業の甘味店で、作家・池波正太郎も足繁く通ったという。看板メニューは店名にもなっている愛玉子。台湾産の新高山(玉山)に密生する植物を使って作る寒天のようなスイーツで、寒天よりも歯ごたえがあり、オリジナルのレモンシロップが美味
となっています。「桃林堂」でお腹は満たされていたし、当初の予定では午後この辺にもう一度戻ってくるつもりだったので入店しませんでした(結局午前中で相当疲れたので、谷中散策は別の日に延期することにしたのですが・・・)
マップの折り返し地点にある、「SCAI THE BATHHOUSE」、ホームページ「SCAI THE BATHHOUSE | Gallery」によると『200年の歴史を持つ由緒ある銭湯「柏湯」を改装した、最先鋭の日本のアーティストを世界に向けて発信すると同時に、日本ではまだ知られていない海外の優れた作家を積極的に紹介する現代美術ギャラリー』です
まさに今までとこれからの歴史の接点という感じがします
入館しようとしたら開館前でした^^; (午後戻ってくるつもりだったので後回しにしましたが、結局来なかったので、またの別の日に来たいと思います)
マップを見ると残り2.9Kmでまだ半分歩いていませんが、時間は11:45過ぎと2時間近くかかっています。大幅な予定オーバー^^; でも、いろいろと面白いので満足(^-^)
少し記事も長くなってしまったので、一旦終わります
次の記事
に続きます
※御礼
いつも読んでくださり、はてなスターやコメントなどありがとうございます
ものすごく励みになっております。これからもよろしくお願いします
ブックマークでいただいたコメントへの返信も通常のコメント欄で
させていただくかもしれません(全部はできないと思うのですが・・・)